造船所は、同じ船をたくさん造った方が、利益が上がります。ひとつの図面から多数の製品を製造することで、設計や開発にかかる費用の比率を下げられるだけでなく、材料や機器の購買が有利になり、また製造・工作をルーチン化できるからです。ですから色々な造船所が生き残りをかけて、設計の標準化・連続製造に取り組んでいます。大きなグループだと、何十隻も同型船を造ります。
残念ながら旭洋造船は財務規模も大きくなく、大型投資はなかなかできません。また、設備規模上の制約から、同型船の大量発注も期待はできません。我々は、スケールメリットへの道は進まないことにしました。代わりに、技術力を磨き、また新しい発想を生かし、他の造船所が対応できないような、難しい船、オリジナルな船、普通ではない船に注力することで、少数派のお客様のニーズに応えることにしたのです。旭洋造船の目指すのは、技術トップランナー。これからもお客様のニーズにジャストフィットするよう、定評ある技術力をさらに磨き、ユニークな造船所としての存在感を発揮していきます。