真っ赤な船体が印象的な本船は、アイルランド、英国に続き、スイス船主向けに建造した4隻シリーズの多目的貨物船です。南アフリカ・サフマリンのサービスに入る本船は、ほとんどコンテナ専用船並みといってよいほどのコンテナ積載量を実現しながら、バルクカーゴ、鋼材などの長尺物・重量物にも対応しています。
同じ完全ボックスシェイプホールド・オープン型の幅広ハッチ船型ですが、英国向けのシリーズとは異なり、本船はハッチカバーに高機能なポンツーン型を採用。パネル上へのコンテナ積載に対応し、ノンシーケンシャルな運用が行えます。また、同じくコンテナ積載が可能なセカンドデッキのパネルは、長尺貨物に対応した第2番超ロングホールド (51.88m x 17.9m) のバルクヘッドとして使用できるなど、多彩なモジュールとして機能するのが特徴です。
アフリカをはじめ北から南まで世界各地で活躍できる船舶として、スエズ運河、パナマ運河はもちろん、セントローレンス海路やキール運河にも対応。2基備えるサイドクレーンは、2基の同時使用により 144トンまで吊り上げる能力があり、コンテナやハッチカバーには、スプレッダーを用いて機能的に移動を行います。
またCFDや水槽試験を駆使することで、振動を軽減しつつ、航海速度17ノットと低燃費を両立させています。技術面、経済面、約10ヶ月に及ぶ綿密なすり合わせを経て実現した本シリーズは、技術の粋を集めた、究極の MPC と言えるでしょう。
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