旭洋造船は当時、設計・技術力はもとより、海外船主とのコミュニケーションスキルなどの強みを生かせるフィールドを模索するなかで、当社建造可能サイズにおけるRORO船の船齢が20年以上が約半数を占めているという統計資料に注目。また、従来のトレーラー輸送をRORO船によるものに変更した場合 60%ものCO2排出量を削減できるという環境性能にも着目し、近未来の代替需要を見込める重要戦略商品として、この船型の新規開発および受注活動を進めてきました。
CAPUCINE は、こうした努力が結実した四隻シリーズの第一船。VIKING ODESSA や、CITY OF ST.PETERSBURG などの PCC/PCTC 建造で培った技術を更に発展させた新船型です。ヨーロッパのど真ん中、ドーバー海峡の定期航路を想定した本船は、イギリス側での河川遡行に対応した浅喫水仕様のスリーデッカーで、メインデッキはコンテナ2段積みを可能とする7mのクリアハイト。CFD解析や水槽試験を繰り返すことで、居住区を後部に持つスリークなデザインながら、高速運航にも対応する最適なバランスを実現しています。
旭洋造船としてははじめてのバラスト処理装置搭載船で、NOx の TierII 規制に対応するなど、欧州の環境対策対応も万全。また仮に主機が故障しても、軸発電機による緊急電動推進が可能な「テイク・ミー・ホーム」システムを採用するなど、数々の先端技術が実装されています。
欧州内物流の中心に投入される最新のユニットを、市場調査、船主との打ち合わせ、そして綿密な実地調査の成果を踏まえて、確かな技術力で実現したこの ROROシリーズは、「チャレンジを怖れず」「技術力で解決する」当社ならではの製品として自負しています。
〒752-0953 山口県下関市長府港町8-7
© 2002-2024, Kyokuyo Shipyard Corporation