旭洋造船が24年ぶりに取り組んだ自動車専用船シリーズの第一船です。しかも北欧船主向け、ヨーロッパでの航行が予定されているハイスペックのシリーズという、当社技術・工作陣にとってはまたとない腕試しの機会となりました。
このプロジェクトのために、建造中の自動車運搬船の見学にはじまり、経験者の指導のもと、建造ノウハウの見直し・蓄積、テスト用実物大ブロック群の製作、搭載ブロックの工程シミュレーションなど、全社一丸となって、設計段階から念入りに調査研究を行いました。
本船には、一般的な自動車運搬船では見られない、たくさんのユニークな仕様が盛り込まれています。特に、荷役時間の短縮を実現するために画期的な手法が色々と投入されています。
この他にも、さすが北欧船主向けだとうならせる、白木と真っ白な壁で統一された居住区インテリアなど、見どころが満載です。
ただ、我々の通常の建造船に比べ、はるかに背が高く、また重い本船は、進水が実は心配の種でした。そのため、計画開始時点から何度も会議を行い、3年先の潮高予測や進水重量重心の精度向上計算などを実施。「備えあれば憂いなし」のことば通り、綿密な準備によって本船は全く問題なく出渠したのです。
進水後、社長が感動のあまり「今日ほど設計・工作をはじめとした当社の技術力の高さに感謝を感じた日はない。全員を誇りに思う。今晩は祝杯だ!」と吼えた本船。この成功が、後日の球状船首船プロジェクトへの取り組みにつながってゆきます。
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