地味な存在になりがちな貨物船に一般の注目を集め、社会に大きくアピールした。
「未来の船」のコンセプトやイメージで、船が流線型で描かれることは珍しくない。だが実際の世界では、それが実現することは少ない。造船所の施工の手間や費用対効果、船主の同意などの現実が、壁として立ちはだかるからだ。旭洋造船と同船の船主、そして荷主は、この大きな壁を越えた。
extraordinary, eco-friendly and aerodynamic design
これまで思い浮かべた人はいただろうが、実現しようとした造船所はなかった
船社として誇らしい。早く走らせたいね。
前例のない船型だけに、工作部の協力を得ながら綿密に検討しました。自画自賛ではありますが、努力の結果、予想以上に歪みの少ない美しい外観を実現できたと思っています
今では旭洋造船のシンボルともなっている球状船首。自動車運搬船 CITY OF ST.PETERSBURG は、記念すべき第一号船です。
当社がこの船型の着想を得たのは 2007年初頭。以後、SSSバウ(半球状船首)という開発コードで独自に研究を続け、九州大学応用力学研究所における風洞実験において、最大50%の風圧抵抗の低減が可能であることを確認。車両搭載能力を維持しつつも、北大西洋の海象では最大年間約800トンの燃料節減および年間約2,500トンのCO2排出削減につながる点をお客様に評価いただいて、本船および姉妹船 CITY OF ROTTERDAM が誕生したのです。
前例の全くない船型であったため、その設計や工作は課題が続出しました。とくに球状のブリッジ部の配置設計には CGによるシミュレーションに加えモックアップも作成。また、鋼板の加工方法から組み立て、窓などの機材搬入に至るまで、個々の課題を地道に解決することで、期待通りの、美しく効率の良い船体を実現しました。
もちろん、旭洋造船ならではのピラーレス構造を全甲板に採用するなど、荷役効率の点でも最新の設計を採用しています。
こうした努力が実を結び、本船は2010年度のシップ・オブ・ザ・イヤー大賞を受賞しました。世界でも見たことのない船型を発注するにあたって、旭洋造船の技術力を信頼してくださった関係者の皆さまに、改めて感謝を申し上げます。
日産自動車によるプロモーションビデオ。(本船の設計は我々旭洋造船が行っています)
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