NEWS 105 : 自動車船 VIKING ODESSA 命名引渡し
NEWS100で全社感動の進水式をお伝えしましたが、住友商事株式会社殿ご発注によるノルウエーのグラム・カー・キャリアズ向け自動車運搬船4隻シリーズ1船目、16,000m2型自動車運搬船S485番船、待望の命名引渡式が2009年8月31日行われました。
シリーズ1船目とあって、船主殿から社長である Peter D. Gram 様ご夫妻を始め用船者である川崎汽船株式会社殿より村上栄一専務執行役員ご夫妻、発注者の住友商事殿等々、ノルウェーを中心に遠路はるばる錚々たるゲスト35名がお見えになり、式は盛大かつ華やかなものとなりました。調印式に引き続いてゲストは旭洋造船2号岸壁に横付けされたS485番船に移動、岸壁で式は始まり、村上様の命名、ご令室の支綱切断によりS485番船は "VIKING ODESSA" と命名され、華々しく祝砲が響き渡りました。
改めて岸壁から間近で見る"VIKING ODESSA" の何と巨大なことか!まるでそそり立つビルのようです。当日は当社の取引銀行も久々の自動車運搬船の竣工ということでご招待しており、式後2つのグループに分かれて船内見学会が行われました。本船の特長である
- 主機関1機が故障しても航行を可能にする2機1軸可変ピッチプロペラ推進装置
- 全車両デッキがピラーレス構造
- 世界初の全電動船内リフタブルデッキとランプ(斜路)
- 客船並みの安定性を保つためのフィンスタビライザー装着
- 冬のバルト海を航行するためのアイスクラス(耐氷海)構造、
などなど一般的な自動車運搬船では見ることのできない特殊仕様、高付加価値仕様の説明に感嘆の声が上がりながらも、さすが北欧船主の船だとうならせる居住部分の白木と真っ白の壁で統一されたインテリアセンスにも感心しきりの様子でありました。
正午より場所をホテルに変えて行われたレセプションには、スペシャルゲストとして中尾下関市長と梅野下関市港湾局長の御両方がご多忙中にもかかわらずお祝いに駆けつけてくださいました。当社社長、グラム社 Managing Director Mr.Karl Terjesenの挨拶、川崎汽船村上専務執行役員の祝辞の後、中尾下関市長からも祝辞を頂戴いたしました。1年以上に渡った契約交渉の末成就した将来型のフィーダー型自動車運搬船である本プロジェクトに対する当事者各々の熱い気持ちが語られる中、市長はユーモアたっぷりに、下関に本社を持つ唯一の大型船造船会社である旭洋造船に、国際的に名高い各社よりお金を落としていただき市長として誠に感謝申し上げる、今後も旭洋造船を市としてもしっかりサポートしてゆくので、どうかどんどん発注をお願いします、と会場を沸かせてくださいました。
さて住友商事山口部長ご発声での鏡開きそして乾杯の大合唱後、旭洋造船引き渡しレセプション恒例でありますパーティ会場眼前の関門海峡を "VIKING ODESSA" がその雄姿を現した時には、会場から大きな歓声と "Beautiful" という祝福の声が一気に盛り上がりました。本船からも数発の汽笛が鳴らされ、全速力で逆潮の関門海峡を走り抜けるその姿が見えなくなるまで拍手は鳴りやまなかったことをお伝えしておきます。
盛会に終わった引渡式の陰には、久々のそして高仕様の自動車運搬船ということもあり、設計や工作部門においては大変な苦労がありました。しかし今回の達成を糧として、旭洋造船は経営の柱であるプロダクトミックス戦略を推進し、更なるチャレンジを続けてゆきます。
[2009/09/15]