ウーパールーパーのような愛嬌のある顔立ちで、皆さんから広く親しまれているコンテナ船「なとり」は、内航コンテナ船として日本最大のキャパシティを持つ船として誕生しました。一般的な 499-749総トンクラスのコンテナ船に比べ、積載量は200%から300%。段違いの輸送力は物流のモーダルシフトに大きく貢献しています。
そしてその先進性を大きく印象づけるのが、旭洋造船が開発し、国際的に関連特許を取得している球状船首(SSS-BOW)。半球形と言うユニークなフォルムを水線上の船首に与えることで、正面風圧抵抗を30%(設計計画値)低減。さらに洗練された水線下のデザインとあわせ、経済性のみならず、GHGの排出抑制にも寄与しています。
また、安全・環境への先端技術を惜しみなく投入しているのも本船の特徴です。機関システムは24時間陸上からのモニタリングが可能。居住区や機関室のWiFiネットワークに接続されたタブレットを通じてバラストポンプの制御などが可能。高効率プロペラ、電動可変ピッチプロペラや燃料補給時の誤流失を防ぐ配管を装備。また、低燃費型塗料を使用した塗装は、本来外航船に適用される IMO塗装性能基準 (PSPC) に準拠するなど、従来型の「いわゆる」内航船とは一線を画した仕様です。
まさに、内航物流をアップデートする、大胆なコンセプト。シップ・オブ・ザ・イヤー2015「小型貨物船部門賞」や日本物流大賞「物流環境負荷軽減技術開発賞」などを受賞した「なとり」は、旭洋造船の高性能内航船のシンボルであると同時に、日本内航海運のフラッグシップとも言えるでしょう。
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