NEWS 071 : 旭洋造船 新役員人事
6月27日に行われました株主総会及び取締役会で新役員が決定しました。
代表取締役社長に越智勝彦(写真下)、専務取締役に三井哲夫(写真上中)がそれぞれ昇任、取締役工作部長・福島徳行(写真上左)、総務部長・永冨 隆(写真上右)は留任という 4名体制で、新たな「旭洋造船」が船出します。なお、前社長の岡本偕一は取締役を退任し会長に就任いたしました。
それでは、新社長からの就任ご挨拶を。
新社長ご挨拶
社長就任にあたりまして、ご挨拶とともに、所信の一端を述べさせていただきます。
弊社は、これまで「他の同クラス造船所に真似の出来ない特異性を持った造船所であろう」を合い言葉として、造船事業を営んでまいりました。弊社にとりまして中興の祖とも言うべき伊良原元会長の大方針であった海外船社との直接受注交渉が可能な営業能力、設計能力の強化が結実し、過去3年間の建造船の内8割が海外船社との直接契約という日本の中小造船所としては類をみない実績を積み上げることが出来ました。これもひとえに、お客様のご支持によるものであり、また同時に仲介していただいた商社や関係者のご協力の賜物と感謝申し上げております。あらためて、厚くお礼申し上げる次第でございます。
社長就任にあたりまして、今後とも、多くのお客様のご期待に応えていきたいと決意を新たにしておりますとともに、その重責に身が引き締まる思いでございます。
さて、数年前より始まった戦後最大最長とも言われております世界的な海運好況のお陰で、弊社も現在約4年分の受注残を抱えております。私も入社以来営業一筋で歩いて参りましたが、このような大量の受注残を抱えた経験はなく、一方でこの状態が当分続くであろうとという海運業界の大方の意見を耳にしながら、ある意味で戸惑いも覚える昨今であります。
しかし、このような好況の時期にこそ、私は、ここにおります専務をはじめとするすべての役員、すべての従業員とともに、企業の原点である「旭洋造船はどんなことがあっても生き残れる造船所であるか」「これから希望を持って入社してくる新入社員に満足を与え続けられるか」ということを真剣に考え、取り組んでいきたいと思います。また、来年入社してくる新入社員から入社面接の際に質問のあった「地域社会への貢献」という、地域に対して旭洋造船の果たすべき使命についても考えていかなければならない時機に来ていると考えております。
今後とも多くの国内外のお客様の多様なご要望にお応えできるよう、私は「設計力」「品質力」「価格力」の3つの競争力について、一層の重点的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
たとえば「設計力」については、すでに群を抜いた評価を得ております弊社の設計能力を、ソフトの導入と積極的な人員採用により更に高めていきます。一年の間に全く種類の異なる船を複数隻も設計建造できること、そして日本の同クラス造船所が手をこまねくような難度の高い特殊船も積極的に対応できるということこそ、私の誇りであり、この能力を維持し更に高めていくことが技術立社としての最重要課題であると考えております。
「品質力」について申し上げれば、品質スタンダードのアップはお客様の維持管理費用を削減すると共に、弊社の建造コストのみならずアフターサービスコストの低減にも結びつきます。 弊社の品質につきましては、おかげさまで国内外のお客様に高い評価をいただいております。これも、過去様々な外国船社様から直接受注してきたことにより、溶接や塗装といったハード面はもちろんのこと、英語コミュニケーション能力というソフト面におきましても、弊社の全般的な建造スタンダードが高いレベルに維持されてきた賜といえるでしょう。造船業界におきましても今後、様々な品質規格が強化法制化されることを考え、適宜必要な設備投資を行うことにより国際レベルの品質を維持してゆく所存であります。
「価格力」つまり「コスト競争力」については、鉄鉱石、石油、非鉄金属といったコモディティーのインフレにより建造コストが急激に上昇しつつある現状を鑑み、これまでとは一線を画す厳しさを持って、知恵と工夫を凝らしながら、コスト削減に取り組んでまいりたいと思います。設計から製造にいたるまで、また購買の方法も含め、仕事の前工程・後工程を考慮に入れながら、無駄を徹底して取り除いていくことによって、強靭な体質をつくりあげていきたいと考えております。提案制度も改めて制度化し、従業員全員レベルでのコストダウンに取り組む所存であり、この「価格力」もひいてはお客様の満足度に結びつくと確信しております。
以上が、社長就任にあたり、私が、経営のビジョンとして考えておりますところでございます。
そのためにも、役員全員が同一のしっかりとした方向性をもちながら、従業員もその目標に向かって日々、明るく、楽しく、しかしながら、真面目に、徹底して仕事をしてゆくことを実現できるよう様々な改善改革を行ってゆく所存であります。
2007年6月27日
代表取締役社長 越智 勝彦
[2007/06/28]