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20年以上にわたって記録している旭洋のライフログ。わたしたちはこういう造船所です。

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NEWS 035 : 船殻課紹介

今回は旭洋造船新造船工作部の船殻部門をご紹介します。

工作部船殻課のメンバー

船殻部門はまさに船体そのものを建造するセクションであり、造船工作業務の中では常に大きい割合を占めるため、ご存知のように造船各社は日夜それぞれの技術とマネジメントの粋を尽くしているといえます。また、各造船所の設備にもよりますが、船殻部門は最も天候の影響を受ける部門でもあるため、いかに効率よく管理できるかどうかで、建造コストのみならず全体の工程に大きな影響を及ぼすと言えます。

それでは、当社の船殻部門の特色をお伝えしましょう。

同クラス造船所では群を抜いた自社製作比率
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造船所の中でも大手と我々中小型クラスでは設備の関係かから事情は異なりますが、当社は同等クラスの造船所にあって群を抜いた自社工場でのブロック生産量を誇ります。具体的に数字であげるならば、船殻重量全体の大体 70% を当社敷地内の全天候型ブロック工場で製作しているわけです。

この点が船主殿、特に一つ一つのブロックの仕上がりに非常に厳しい欧州船主殿から絶大な評価を受けました。常駐する船主監督殿はいつでもブロックの製作現場にアクセスできるわけですから。

同クラスの造船所が自前のブロック工場を敢えて持たない理由に、直接売り上げに寄与しない工場建設のための設備投資や、ブロック工場専属のワーカーを一定数維持しなくてはならない、というコスト面でのデメリットがあげられます。

しかし、我々はブロック自体の質とアクセシビリティーにこだわる欧州船主殿から得られた最大級の評価を落とすことなきよう、自社全天候型ブロック工場をフル稼働させてゆきます。

船殻部材データ生成ソフト「新SHIPシステム」への移行
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当社では、全天候型ブロック工場の稼動に合わせ "SHIP システム"(三菱重工製)を導入し、手作業による船体外板形状のフェアリング業務の電算化を行い、さらに NC 鋼板自動切断機を導入し、劣悪な環境から作業者を救済するとともにブロック精度を向上させ、建造工程の短縮化に大きく寄与してきました。

現在、さらに生産効率を上げるため、船殻部門の上流である NC 課で最新の "新SHIPシステム"を導入しました。

これにより、IT 技術の進歩に伴い、動作環境を従前のワークステーションからパソコンベースに移行させた新しいソフトを使用することにより、作業効率の向上はもとより、製作をサポートする新たな情報の現場への提供が可能となります。

本格的な稼動は今秋以降の予定ですが、全天候型ブロック工場と、現在計画中の塗装工場とあいまって、工作部門全体の生産性向上に貢献できるものと思います。

船殻課紹介
コミュニケーション能力の充実
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受注の 90% 以上が海外船主殿からの直接受注である当社にあって、トップから現場の末端まで、程度の差こそあれ英語によるコミュニケーション能力を高めていくことは必須の課題でもあります。特に船殻部門はその最前線で、仕上がり状態に対する船主殿からのコメントに「現場でのクイック対応が出来る」ことで、無駄な時間がはぶけ船主監督殿の大きな信頼を得ています。

今年より英会話学校と契約、社内の一室にテレビによるリアルタイム外国語会話学習設備を 2台設置し、将来的には社員全員がオフタイムに外国人教師とのテレビを通しての会話練習ができるように環境を整えました。

新塗装工場の建設
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工程管理の厳しさは特に塗装工程に出て来ます。雨が多く高温多湿な日本の気候は、ある意味で理想の塗装条件とは全く相反するところがあります。長雨や時に 80% を超える湿度が続くことよる塗装工程の遅れによって船殻部門、特にドックでブロックを積み上げていく外業部門はこれまでどれほど泣かされてきたことでしょう。

これを一挙に解決するのが現在計画中の塗装工場の建設です。サンドブラスト装置と強力な除湿装置完備の工場内で塗装されたブロックは、当社の生産工程に大いに寄与するでしょうし、同時に船主殿に対しても絶大な安心感を与えることが出来るでしょう。

これら当社の特質をますます特化させながら、これからもクオリティを堅持した船を建造致します。。ご期待ください。

佐伯哲

最後に、この4月から船殻部門を管理することになった工作部の佐伯船殻課長(45歳)から一言。

「我ら船殻課は平均年齢 34歳。若さとパワーと行動力で、一丸となって品質管理とコストダウンに取り組んでおります。今後も安全・工程管理・品質管理の強化を基本により良い船の建造を行います。又常駐されている船主監督殿ともコミュニケーションを絶やさず風通しの良い課造りを目指しています。スタッフ一同頑張ります!」

[2004/08/04]

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