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20年以上にわたって記録している旭洋のライフログ。わたしたちはこういう造船所です。

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NEWS 175 : 新しい潮流と波のなかで

新年おめでとうございます
旭洋造船・越智勝彦

2014年 (平成26年) の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げますと共に、本年の抱負を述べさせていただきます。

昨年2013年 (平成25年) は、海運造船業界にとりまして転換の年でありました。2012年11月、前政権が衆議院の解散を宣言してから、これを基点に、1ドル70円台が定着しつつあった歴史的超円高と言える為替相場が円安方向へ大きく転換し始め、長きにわたり閉塞気味であった日本の株式相場の上昇への流れが起こり始めました。 2013年に入り、この1年間で、為替は1ドル100円台に、日経平均株価は1万5000円台を取り戻すなど、わが国の経済指標に大きな変化が起こり、それと歩調を合わすように、マーケットの基軸通貨が米ドルである海運造船業界は、2008年のリーマンショック以来の長期停滞が底を打ち、大きく好転し始めました。


冷凍船「いぶき」引渡

このような環境の下、私ども旭洋造船では、先述のリーマンショック以来低調であった商談が2012年の末頃から再開され、円安への流れが定着し始めた2013年初頭から契約としてまとまるようになりました。 昨年1年間で、LPG船やコンテナ船を中心に合計15隻を、国内外のお客様から発注をいただくことができ、これにより、2016年後半までの約3年分の工事量を確保するに至りました。

一方で既受注船舶の建造につきましては、全ての建造船を契約納期通りに無事にお引き渡し完了いたすことができました。これもひとえに、過去数年の厳しい環境の影響の下にありながらも、ご発注いただきましたお客様を始め、商談を仲介いただきました商社様やブローカー様などなど関係各社のご厚情とご努力の賜と、改めまして感謝の気持ちを表させていただきたいと存じます。

もうひとつの柱であります修繕部門におきましても、一昨年を上回る売上を計上することができまして、これも、多くのお客様方の変わらぬご愛顧の賜と、深く感謝申し上げます。


冷凍船「ちとせ」引渡

本年もこの回復傾向が続くことを期待しつつ、心新たに以下の点に注力してゆきたいと考えております。

まずは、旭洋造船の真骨頂であります少量多品種の引き合いへの対応能力の向上です。以前より、特殊な船型、小ロットの新規プロジェクトへの対応には各方面の皆様方よりご評価をいただいておりますが、アウトソーシングも考慮に入れた設計陣の充実で、更に磨きをかけてまいります。

次に、大幅に人事刷新した工作部門や調達部門では、組織の意識改革を進め、コストアップ要因を見直し、チャレンジングな商談に、強化した競争力を持って取り組んでまいります。

セメント船「第八ゆたか丸」引渡

そして、3つめとして、時代のトレンドを確実に把握し、中小クラス造船所のトップランナーとして走り続けられるよう研鑽を重ねてまいります。具体的には、シェールガス革命によるLNGマーケットの拡大に絡み、小型のLNGフィーダー船や派生製品としてのLPG船建造へ向けての技術面での先進性の追求。ならびに2010年シップオブザイヤーに輝いた半球状船首PCCをはずみとした更なる省エネ技術の開発および船全体としての低燃費達成に努めてまいります。

一方で、好転をもたらした円安は反面一部造船資機材の価格上昇を招き、又、建設需要の急回復により労務費の上昇も始まっています。 これは、直接、建造コストの上昇や工程維持の難化という問題に繋がりますが、持ち前の営業力、設計力、工作力、そして財務力の更なる強化により「チーム旭洋」として乗り越えてゆく所存であります。


本年も気持ちを新たに、社員一人一人が、建造させていただくチャンスをいただいた様々な関係者の方々への感謝の気持ちをかみしめつつ、地域のため、会社のため、そして自分と家族のために、夢と活力をもって、安全第一に「船づくり」をおこなってゆきます。今後とも、一層のご愛顧とご鞭撻をお願い申し上げます。

旭洋造船株式会社
代表取締役社長
越智勝彦

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