NEWS 049 : 備え充実!台風高潮対策
2004年9月に来襲した台風18号は、大潮でなかったにもかかわらずその風威により海面上昇を引き起こし、当社構内及び隣接の港湾道路を一面のプール状態にしてしまいました。あふれた海水は新造船ドックに大量に流れ込み、地域全体の停電により排水ポンプが作動できなかったこともあり、全体の建造工程が約一ヶ月遅れるという大きなダメージを受けてしまいました。
この苦い経験をふまえ、今期、非常時に稼動可能な自家発電設備建設に取りかかり、完成させたことは NEWS047 でご紹介しましたが、今回はその高潮対策の第2弾をご紹介いたします。
まず新造船ドックの周りに高さ約70cmの鉄板囲壁を構築しました (写真左)。これにより陸上からの海水流入を最低限に食い止め、同時に自家発電の電力で排水ポンプをフル稼働させ、ドック内の流入水を排水し続けようと意図したものです。
次に港湾道路に面したフェンスを同じく約70cm程、鉄筋コンクリートでかさ上げすると同時に (写真上)、正門及び西門には鋼製水密構造の差込門扉を設置できるよう改造しました (写真左)。過去の台風高潮の経験知から、海に突き出ている港湾道路に流入した海水が排水されずに、大きな川となって当社側に流れてくること、そしてその逃げ場を失った大量の海水が正門からなだれ込み、さらにドックへ一気に滝のように入り込むということがわかっていました。今回の工事により、高潮により陸上へ打ち上げられた海水は、理論的に当社敷地内へ流入することはなくなります。
我々はこのダブル防御により、近年その頻度が増している高潮被害をほぼ完璧に食い止め、発注いただいた船主殿の大切な船を守れると確信しています。
[2005/09/18]