NEWS 058 : 国際基準への先駆け「研掃工場」稼働中
既にご存知のように、IMO (国際海事機関) の第 81回海上安全委員会で、バラストタンクの新塗装基準が 2008年 7月 1日以降に契約される船舶から適用されることが正式に決まりました。かねてより造船業界への影響が大きい、特に制限された敷地内で造船を営んでいる中小型造船会社には事業存続をも左右しかねないと懸念されていたこの規制が遂に現実のものとなったわけです。
旭洋造船では、昨年度、設備投資計画の最重要項目として、この新塗装基準に完全準拠しうる研掃工場を完成させました。[ News052 ]
常にハイスタンダードな塗装処理を求める海外船主殿からの引き合いが圧倒的に多い当社にとっては、工場建設は IMO 決議以前の必然の選択ではありました。さらに当社の大目標である年間6隻建造という体制作りには工程遵守が必須であり、そのための設備投資でもありました。
ブロックの塗装処理の流れとしては、まず管・電気・鉄艤装取付といった先行艤装を行った後養生し、研掃工場に搬入、ブラスト処理を行います。そして塗装前の検査を受けた後搬出、塗装工程に移るわけですが、迅速な搬入搬出も工程時間削減の大きなポイントとなります。幸い既設の全天候型ブロック工場の脇にスペースの余裕があり、搬出搬入に最も効率のよい場所に建設することができました。
現在は主としてバラストタンク部でフル稼働していますが、今後は機関室や居住区などの他、大物艤装品のブラスト処理も手がけてゆきたいと考えています。
ともあれこの研掃工場の完成は、国内の同規模造船会社の中ではもちろん初であり、常に世界に向け情報のアンテナを張り巡らせている旭洋造船らしい時代の先取りであったということができると思います。これからも常に一歩先行く旭洋造船にご期待ください。
[2006/07/11]