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20年以上にわたって記録している旭洋のライフログ。わたしたちはこういう造船所です。

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NEWS 109 : 新年のごあいさつ

旭洋造船・越智勝彦

みなさん、あけましておめでとうございます。

2010年の元旦にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げますと共に、本年の抱負を述べさせていただきます。

2008年秋のサブプライムローン破綻に端を発する世界同時大不況によって、一気に縮小してしまった海運マーケットは、大底を打った感はあるものの、はっきりした回復の兆しは1年以上経った今で見受けられません。それに伴いまして我々造船界も有力な商談がなかなか望めない状態が続いています。 また船舶の受発注を支える船舶金融におきましても、金融機関が模様眺めの状態に入っており、それに加えて昨年来の為替状況は船を取り巻くすべての利害関係者にとりまして閉塞感に満ちた暗い2009年でありました。

さて、弊社におきましても昨年(2009年1月~12月)は数少ない案件を必死で追いかけてきましたが、引渡ベースで2012年6月末までの受注残という状態で2010年を迎えました。中国や韓国で多発しているキャンセルや納期延期は幸い弊社では出ておらず、1月現在で14隻、約2年半の連続建造受注残を確定できておりますことは、ひとえにご発注いただきましたお客様のお陰であると、深く感謝いたしております。


造船所風景

さて、こうした環境の下、私ども旭洋造船は、同クラス造船所が対応しづらい案件、つまり「技術的に難しい。しかし挑戦し甲斐のある高付加価値船の建造」を志向してゆくためにも「チャレンジ精神をもとう」を究極の合言葉として積極的にこの難局に対処します。一方でキャッシュフロー重視の経営を標榜し、省力化が期待できる設備投資案件のみに投資、その結果として、より強固な財務体質を築き上げてまいります。

弊社は2008年より「未来に向けて、再チャレンジ2010」計画を行ってまいりました。今年はいよいよその仕上げの年であり、旭洋造船の将来のサバイバルに向けたいくつかの新しい施策を断行します。そして、設計力、品質力、価格競争力、財務力、ワンチーム力の5つが揃った造船所として確実な地位を築けるよう、今後とも社員全員で様々な改善、改革をチャレンジ精神をもって引き続き行っていきます。


引渡しを待つ自動車運搬船

受注面においては、ニッチなマーケットの開拓は言うに及ばず、新ルール(PSPC)施行に伴い、より環境・省エネに重点を置いた経済的な新船型を顧客のみなさまに提案させていただきます。また、船齢分布に基づいたマーケティングによる需要の掘り起こしと新しい分野への挑戦により、現状のマーケットに影響されない受注対象を見つけ出す所存です。

生産管理面においては、内部努力だけではどうしても達成不可能な改善を掘り起こすため、昨年7月外部より技術コンサルタントを迎え、まずはドックサイドの新設120トン走行クレーン導入の最大のメリットを享受するために船殻部門上工程からの全面的な見直しを行ってまいりました。今年は更に艤装も含めた全社的な工程改革を行ってゆく所存です。


一方で今年の春も、「外国船や高付加価値船の建造にチャレンジしている造船所」として旭洋造船を選んでくれた多くの優秀な学生たちが入社してまいります。彼らのモチベーションを高く維持してゆくためにも、単に英会話に留まらない新しい英語教育システムの導入や失敗を恐れずどんどんチャレンジしてくれるような組織作りと積極的登用を推し進めます。

暗いニュースの多い昨今ですが、旭洋造船は、目標をチャレンジ精神で実現してゆくことにより、明るく一歩一歩確実に改革をしてゆく所存です。そして従業員一人一人が、建造させていただくチャンスをいただいた様々な関係者の方々への感謝の気持ちをかみしめつつ、地域のため、会社のため、そして自分と家族のために、夢と誇りと活力をもって、安全第一に「船づくり」をおこなってゆきます。

今後とも、一層のご愛顧とご鞭撻をお願い申し上げます。

代表取締役社長
越智勝彦

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