NEWS 283 : コロナ禍を乗り越えて!
中国・山東海運殿向けに当社で建造しておりました 178,000ft3型冷凍船 OCEAN STAR(S-559) が 2021年11月30日に竣工し、世界の海へと旅立っていきました。
本船の契約は一昨年4月、コロナウィルスの全世界的大流行が始まる中での締結です。伊藤忠商事株式会社様の仲介により内定はしたものの、世界的に移動が制限される中で、船主殿サイドとの詳細技術打合せをどのように行なうのか、契約は事務的に済ませるしかないのか等、頭を抱えることばかりでした。結局、技術打合せはリモート会議で乗り切り、契約調印もリモートで行なうという、今でこそ一般的となりましたが、当時としては画期的な方法で契約を行いました。
船主殿には、契約調印時、本船竣工の際には下関にお越し頂き、盛大にお祝いしましょう、とのお話をさせて頂いておりましたが、コロナ禍が長期化する中、船主殿サイドは来日の可能性を模索されたものの、状況を勘案して、残念ながら引渡調印もリモートにて行なうことになりました。
本船は中国船社が魚の解体/加工設備及び-50℃急速冷凍設備を持つ冷凍船を初めて日本に発注したことでも話題となりました。
また当社建造の冷凍船としては初めてSCR(脱硝装置)を搭載したNOx(窒素酸化物)3次規制対応船であり、NOx排出規制海域における運航が可能なだけでなく、将来的にSOx(硫黄酸化物)規制へ対応するため、ファンネル内部後方にスクラバー搭載を見据えたスペースを確保した最新鋭環境配慮船となっております。
本船は既に船主殿とマグロ養殖大手の間で用船契約が締結されており、活躍が期待されています。
コロナ禍における様々な制約を乗り越えた点については当社として画期的な新造船となりましたが、一方で船主殿と直接お会いできないことに対して、私どもは寂しさ、物足りなさを感じています。コロナ禍が鎮静化し、日中間の移動が解禁された暁には船主殿を訪問し、両社で本船の竣工を喜び合い、関係性を深めたいと考えています。
本船の無事の航海と山東海洋グループ様の益々のご発展を心からお祈りします。
[2022/01/14]