NEWS 348 : おかえりなさい!
2026年5月27日、旭洋造船株式会社は11,000m3型LPG運搬船「PGC YIANNIOS」を完工し、ギリシャに本拠を置く Paradise Gas Carriers Corp. へ引き渡しを行いました。本船は、NOx 3次規制*に対応したSCRシステム**を搭載。環境負荷の低減と高い推進効率を両立した、技術の旭洋、最新の一隻です。
不安定な天候が続いておりましたが、完工から2日後の引渡式典当日は晴天に恵まれ、滞りなく式典を行うことができてひと安心です。今回、スポンサーとして命名および支綱切断の大役を担われたのは、Iro Leventi 様。Vice President である Petros Periklis Vasilopoulos 様のご令室です。船名の「YIANNIOS」はギリシャ語の男性名「Ioannis」の愛称であり、その名は現代表 Konstantinos Tsakiris 様のお父様(グループの創業者)の名前にちなむと伺いました。
当社の代表的な船型である7,500m3型LPG運搬船は多くのご発注をいただく人気シリーズとして成長していますが、その第一船は、実は同グループ向けの「PGC PATREAS」(2017年5月完工)。PGC 社からは以来継続してご発注をいただいており、今回竣工した「PGC YIANNIOS」は8年ぶりの五隻目となります。第1船から本船まで、全ての建造船で監督を務められたGeorge Koutsoukos様(ジョージさん)には、時に厳しく、しかし常に公平かつ温かいご指導をいただいています。
就航後は、広島県呉市を拠点とする船主グループ「喜望峰の会」の栄福海運株式会社が本船を保有します。祝賀会では、喜望峰の会より酒樽および枡をご贈呈いただきましたが、船田会長をはじめとする喜望峰の会の皆様の力強い「上げ潮コール(写真参照)」により本船の門出を盛大に祝福いただいて、パーティーの盛り上がりは最高。当社の引渡式典では初めて酒樽が空になりました!
今回の式典では、ギリシャ、呉、下関。そして船主、造船所、金融機関。経営者の方、担当者の方、技術者の方、そして無論ファミリー。さまざまな人々が旧交を温め、新しい関係を築き、またつながりを深めていくために語り合い、声を合わせました。下関で生まれた本船が、今後も世代や立場を超えた人と人との幸せなつながりを深めていく契機となり続けることを、旭洋造船は願っています。
(*) NOx 3次規制(Tier III)とは:国際海事機関(IMO)が定める船舶の窒素酸化物(NOx)排出規制のうち最も厳しい基準であり、指定海域(ECA)を航行する新造船に適用されます。従来の2次規制(Tier II)と比較して約80%の排出削減が求められます。
(**) SCRシステム(Selective Catalytic Reduction:選択式触媒還元装置)とは:排気ガス中のNOxを無害な窒素と水に分解する装置であり、Tier III規制への適合を実現する代表的な環境技術です。
[2026/6/15]
