NEWS 128 : 自社開発によるエコシップ、命名引渡!
昨年師走、2010年の掉尾を飾った、そして旭洋造船の長い歴史の中でも、もっともエキサイティングな日となったS493番船の命名引渡式をご紹介します。
news112(開発中)、122(進水)でお知らせしてきました、旭洋造船が独自で開発設計した、風圧力低減型船型 2000台積自動車運搬船 S493番船の命名引渡式が、2010年12月22日、盛大に執り行われました。
この前日から当日未明にかけ、寒波に加え強風と雷雨という厳しい天候であり、参加者全員、非常にナーバスとなりやきもきしておりましたが、当日は奇跡的とも言える温暖、快晴、無風という最高のコンディションとなりました。開発開始から様々な艱難辛苦を乗り越えて今日完成したこの船にはきっと神様が宿っているのだと、関係者全員が確信した瞬間でありました。
当日のご列席いただいたゲストは、発注者・瑞穂産業株式会社殿、用船者・日産専用船株式会社殿、主契約者・三井物産株式会社殿および銀行関係各行殿などなど総勢50名。中でも、荷主であられる日産自動車株式会社殿より、今津副社長直々のご参列は世界で初のエコシップである本自動車運搬船に対する関係各社の期待の大きさの表れでありましょう。
さて、式はそうした絶好の日和のなか完璧な進行で行われ、今津副社長の命名、ご令室の見事な支綱切断により、S493番船は「City of St. Petersburg」と命名され、無事に引渡しを終えることができました。前々から新聞報道されており注目の船であったためか、テレビ、新聞など報道陣もつめかけ、「City of St. Petersburg」は華々しくフラッシュを浴びていました。
さらに、この日は、社団法人日本中小型造船工業会殿の企画の一環である「造船会社の進水式・引渡式の小学生見学会」に旭洋造船が選ばれたため、大型バス数台で近隣の小学校2校から約250名の生徒も来場、弊社も部署問わずスタッフ総出での応対となりました。この日は山口日産自動車株式会社殿のご協力で、12月に発売されたばかりの日産の電気自動車「リーフ」も船内に展示され、まさに「エコシップ meets エコカー」という未来系の見学となり、生徒たちは、初めて見る自動車運搬船の内部の構造や大きさ、エコシップの独特の外観に大興奮、「ゼロ系新幹線みたい」「大きいのにびっくりした」など口々に感想を言いつつ学校へのバスに乗り込んで行きました。
場所を変え、ホテルでのレセプション最中での旭洋造船恒例のイベント、式場の眼前を流れる関門海峡に引き渡し直後の 「City of St. Petersburg」を航走させました。その球状船首の優美な姿に大歓声が起こったことはいうまでもありません。
この日は旭洋造船社員一同にとって、創立以来最も晴れがましく、また苦労して建造しただけに格別な感動を味わうことのできた瞬間でありました。本船型をご採用いただいた関係者各位に改めて敬意と感謝を表しますと共に、3月に引き渡しを行うシリーズ2番船の建造に、社員一丸、全力で当たる所存です。
素晴らしい一日をありがとうございました。
[2011/01/12]