NEWS 116 : 3D造船設計システム 船殻設計へ本格導入!
旭洋造船はこの度、日本の大中手造船会社でも数多く採用されていると共に、シェアを考慮すれば世界標準と言える3次元造船設計システム「AVEVA Marine」の導入を決定、AVEVA(アヴィバ)株式会社との間で契約を取り交わしました。
これは2010年冒頭の社長挨拶(NEWS109)の中でも述べています「同クラスの造船所が対応しづらい案件、つまり技術的に難しい、しかし挑戦し甲斐のある高付加価値船の建造を志向していく」という戦略上、旭洋造船が次世代の造船所運営のために必要不可欠なものとの判断から導入を決定したものであります。
設計の3次元化については、旭洋造船は約2年前に艤装設計で別の3次元設計システムを導入しており、ここ一連の自動車運搬船建造の時点で実船に本格適用しましたが、配管設計の省力化と配管一品の誤作率の大幅な減少を大きな成果として得ることができました。この成果を踏まえ、より経済的に効果の大きい船殻設計部門においても同等以上の成果が得られると判断し、今回「AVEVA Marine」導入に踏み切ったものです。これによりこれまで一部で二度手間となっていた船殻詳細設計・生産設計は完全に一体化することになり、省力化、正確性向上に大きく貢献し、設計工作の生産性を飛躍的に向上させてくれることを期待しています。
近い将来、旭洋造船の設計は、基本計画を少数精鋭の設計陣が行い、それを受けた詳細・生産設計がこのシステムを駆使、極力省力化を図りつつタイムリーに設計図を産み出していくということになるでしょう。そして現場においては、従来の生産設計図面に加え、あらゆる角度からの3Dの立体図も同時出力されるとともに、これまで苦労していたブロックの重心位置も簡単にアウトプットされるため、比較的経験の少ない作業者でも完成イメージが簡単に得ることができ、より正確に迅速にブロックが組み上げられていくことになるでしょう。
今回の3次元設計ソフト「AVEVA Marine」の導入により、更に先進性を維持してゆく旭洋造船にご期待ください。
[2010/04/20]